精算法人が株主に分配する残余財産の分配額は、配当とみなされますか?

法人税

株主等が精算法人から受ける残余財産の分配額のうち、資本金等の額に対応する部分以外については、留保されている所得である利益積立金額の分配を受けたものとされ、配当とみなされることとなります。

株主等が精算法人から受ける残余財産の分配額のうち、資本金等の額に対応する部分以外については、留保されている所得である利益積立金額の分配を受けたものとされ、配当とみなされます。
この配当とみなされる金額について、精算法人は源泉徴収を行わなければなりません。
一方の残余財産の分配を受けた法人株主は、配当とみなされる金額に関しては受取配当等の益金不算入の適用を、源泉徴収された金額に関しては所得税額控除の適用を、それぞれ受けられます。みなし配当の金額の計算は、次の算式によって行われます(法人税法第24条第1項第3号、同法施行令第23条第1項第3号)。また、実務上では、精算法人から通知される1株当たりのみなし配当の金額に、直前に有していた株式数を乗じることにより、簡易に計算を行うことが可能です。ただし、いずれも申告書に一定事項を記載しなければなりません。記載を失念しないように留意する必要があります。
みなし配当の金額=残余財産の分配額-精算法人株式に対応する資本金等の額
精算法人株式に対応する資本金等の額=分配直前の払戻等対応資本金額等× 分配直前に有していた精算法人株式の数/精算法人の発行済株式総数
分配直前の払戻等対応資本金額等=分配直前の資本金等の額× 精算法人の残余財産の分配額(分母の金額を限度とする)/精算法人の払戻に係る直前事業年度末の簿価純資産額
この算式では、精算法人の払戻に係る直前事業年度末の簿価純資産額について、負債の計算上、新株予約権に係る義務が含まれ、直前事業年度末~分配の直前に資本金等の額の増減がある場合はその増減額が加減算されます。そして、精算法人の残余財産の分配額/精算法人の払戻に係る直前事業年度末の簿価純資産額について、小数点以下三位未満の端数切上となり、清算法人の分配直前の資本金等の額がゼロ以下である場合はゼロ、清算法人の分配直前の資本金等の額がゼロを超えかつ分母の簿価純資産額がゼロ以下である場合は1、精算法人の分配直前の資本金等の額がゼロを超えかつ残余財産の全部の分配の場合は1となります。